自由な働き方として、会社に縛られない派遣労働が注目されたこともある。実際に多くの自由な働き方が模索されたが、その一方で深刻な問題も浮き彫りとなった。自由に働けると言っても、派遣労働の場合にはスキル向上が伴わない部署が多かったことが挙げられる。そのために、派遣労働の時間給がアルバイトなどに比べて好条件だったものの、雇用が安定した正社員と比較すると同等には程遠いのが現実だった。

 派遣労働が社会的に浸透し、市場的に時間給も下がり始めて来て、ワーキングプワーの問題が叫ばれるようになった。雇用する会社にとって、研修や技術向上のコストがかからない派遣労働者は、機械では行えない単純作業を行わせるには都合が良い存在と言えた。

 また何より、自由と言いながらも、個人でスキルを上げる難しさに労働者は疎かったところがある。例えば派遣から変わる自由な働き方として、クラウドサービスを利用したものが注目されている。ライティングやプログラミング、それ以外にもネットワーク環境を利用した様々な可能性が見えて来た。

 前回の反省をするのであれば、自由に働けるためにも、スキルの向上方法を確立しなければいけない。自由なネット環境だからこそ、情報のやり取りだけで終わらせずに、相互の魅力を引き出せる工夫が重要になる。本来の意味で、自由に働ける環境を定着させるには、価値のある技術を持って、社会に貢献できる労働者が一般的に浸透した時だろう。